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米田 安宏; 小原 真司*; 加藤 一実*
Japanese Journal of Applied Physics, 52(9), p.09KF01_1 - 09KF01_5, 2013/09
被引用回数:8 パーセンタイル:34.42(Physics, Applied)ナノサイズのチタン酸バリウム粒子の構造を高エネルギーX線回折を用いた2体相関分布関数法、及びX線吸収微細構造を用いて評価した。ナノサイズ粒子はいずれも平均構造は自発分極の発生を許さない常誘電的な構造であるが、局所的にはよくオーダーした強誘電的なペロブスカイト構造を有していることがわかった。また、粒子サイズだけでなく、モフォロジーも強誘電性の発現に寄与していることが示された。
吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 吉門 新三*; 福島 整*
no journal, ,
強誘電体BaTiOの電子状態を観測するため、Ba-L及びTi-K吸収端において放射光共鳴発光測定を行った。Ba吸収端において、共鳴発光を用いた部分蛍光法による吸収スペクトルをキュリー点上下で測定した。過去の文献では、温度によりスペクトルに違いが見られ、それによりこの物質の相転移起源について示唆がなされた。しかし本研究では、温度を変えてもスペクトルはほとんど変化しなかった。よって、スペクトル変化の存在の有無については、今後さらに検討が必要である。Ti-K吸収端での測定からは、Tiの共鳴発光ピークは吸収端近傍でそのエネルギーは一定であった。これは通常元素分析で用いられる蛍光過程によるものであり、励起された電子が速やかに非局在化することを示す。非局在化はTiのp及びd軌道で起こっており、Ti-Oの強い混成によって軌道が遍歴的になっていることを示す。この結果は、BaTiOの強誘電性がTi-Oの強い混成による歪みに由来することを示すものであり、過去の理論計算などと定性的に一致する。